センブリの効能と使い方をわかりやすく|健胃・整腸と育毛・発毛作用を暮らしに活かす

薬草について知ろう

薬草のある暮らしに、なんとなく興味はあるけれど、
「なんだか難しそう」「どんな症状に使えるのかわからない」
そんなふうに感じていませんか?

センブリは、とても苦いことで知られる薬草です。
日本三大民間薬のひとつであり、昔から胃腸の調子を整える薬として、暮らしの中で大切にされてきました。
市販の育毛剤などにも使われていることから、名前を聞いたことがある方も多いかもしれません。

私は薬剤師ですが、薬草についてはまだ学び始めたばかりです。
だからこそ、わかりやすく「これならできそう」と感じられる形で、センブリの効能や使い方をお伝えしたいと思っています。

この記事では、センブリの持つ効能や、お茶や粉末にして飲んだり頭皮へ塗るといった生活に取り入れやすい使い方などを紹介しています。

センブリについて知ることから、ご自分のペースで無理なく、薬草のある生活への一歩が踏み出せるはずです。

薬草のあるやさしい生活を、一緒にのぞいてみませんか?

まず知っておきたい!センブリの主な効能と魅力

センブリの特徴といえば、昔から知られているその強い苦みです。
湯の中で千回振り出しても(煮出しても)まだ苦いことから、「センブリ」と呼ばれるようになりました。

センブリは別名で「当薬(とうやく)」と呼ばれ、「まさに当たる薬・よく効く薬」という意味があります。
日本三大民間薬のひとつであり、昔から民間の胃腸薬として大切にされてきました。

含まれる苦味成分(スウェルチアマリンなど)の働きにより、身体の内と外の両方に使われてきた薬草です。

センブリの代表的な使い方を簡単にまとめてみましょう。

用途作用効能
内用苦味健胃、整腸食欲不振、消化不良、胃弱、下痢など
外用育毛、発毛発毛促進、抜け毛防止、
ふけ、脱毛症

センブリの健胃・整腸作用

センブリの持つ苦みの成分が口の中の味覚を刺激し、それをきっかけに唾液や胃液の分泌をうながします。
その結果、胃の運動が活発になり消化を助けると考えられています。

センブリの毛髪に対する作用

頭皮に塗ることで、苦み成分の持つ刺激作用により頭皮の血流が改善します。
頭皮の血行が良くなると、髪の毛を作る毛母細胞や毛乳頭に栄養や酸素が届きやすくなり、毛髪の健やかな成長につながるとされています。

センブリの意外な効能と使い方|虫除けとして

センブリが苦味健胃薬として使われ始めたのは、江戸時代末期以降と言われています。
それまでは、煮汁で肌着を染めてノミやシラミを防ぐ、煮汁を屏風や襖を張る糊に混ぜて虫除けとするという使われ方をしていました。

センブリの苦味は、虫も寄せ付けないほど強力なのですね。

センブリの魅力をまとめると

センブリの効能の元は、苦味成分です。
強い苦みが持つ刺激作用により、身体の内側(健胃・整腸)と外側(育毛・発毛)に働き、
古くは防虫のために用いられてきました。

まさに、「良薬口に苦し」という言葉がピッタリの薬草ですね。

センブリの使い方|わかりやすいおすすめの方法

センブリは、花が咲いている時期(10月頃)に全草を抜き取り、水洗いしてから風通しのよい場所で陰干しにして乾燥させて使います。
これが「当薬(とうやく)」です。

自然に生えているセンブリを使うときに守ってほしいこと

野生のセンブリの数はかなり減ってしまい、今では希少な植物となってしまいました。
センブリの数を減らさないために、自然に生えているセンブリを採取するときには以下のことに注意してください。

  • 花が終わって種が熟しているものを採取しましょう
  • 種は自然に戻しましょう
  • 採取するときは、根を切らないようにしましょう

市販の乾燥センブリやセンブリ茶、センブリ配合の胃腸薬、育毛剤などがあるので、それらを利用するのがおすすめです。
市販のものを使うときは、それぞれの製品に書かれている使い方や使用量を守りましょう。

センブリは昔からさまざまな形で、暮らしの中に取り入れられてきました。
ここからは、初心者にもおすすめなセンブリの活用方法について紹介していきます。

  • センブリ茶を飲む
  • センブリの粉末を飲む
  • センブリを頭皮に塗る

興味のあるものや、「これならできそう」と思ったものから試してみてくださいね。

センブリ茶を飲む(健胃・整腸に)

まずは、胃腸の調子が気になるときにセンブリ茶を飲んでみましょう。

🌿レシピ①
◆用意するもの◆
乾燥したセンブリの全草 1本
急須
熱湯 200mLくらい

◆作り方◆
1.乾燥したセンブリの全草1本を適当に折って急須に入れ、熱湯200mLくらいを注ぐ。
2.ふたをして数分おいたものを飲む。
※1日2〜3回服用します

🌿レシピ②
◆用意するもの◆
乾燥して刻んだセンブリの全草 1日量:1.5g
水 300mLくらい
フライパン
鍋(ステンレスやほうろう、耐熱ガラス、土鍋など)
 ※薬草中の成分が鉄と反応して変化するため、鉄製の鍋は避けてください
茶こし

◆作り方◆
1.乾燥したセンブリをフライパンで混ぜながら炒る。手で触ってパリッとしたらOK。 
  ※炒ることで味が良くなり、成分を抽出しやすくなります。 
   また、衛生的で保存性も増します。
2.鍋に300mLくらいの水を入れて沸騰させる。
3.乾燥してから炒ったセンブリ1.5gを加えて、中火で2/3から1/2の量になるまで
  煮詰める。
4.茶こしを用いて別の容器にこし取り、1日3回に分けて飲む。

【期待される効果】
健胃・整腸(食欲不振、消化不良、胃弱、下痢など)

センブリの粉末を飲む(健胃・整腸に)

センブリ茶として飲む方法と同様の効能があります。

◆用意するもの◆
乾燥したセンブリの全草を粉末にしたもの

◆使い方◆
1回量0.03〜0.05gを、オブラートなどに包まずにそのまま飲む。
※苦みを感じることが、健胃・整腸作用につながります。

【期待される効果】
健胃・整腸(食欲不振、消化不良、胃弱、下痢など)

センブリを頭皮に塗る(育毛・発毛に)

「センブリ茶として飲用する」の項目のレシピ②で紹介したものを使うと、より手軽です。

◆用意するもの◆
ホワイトリカー 200mL
乾燥して刻んだセンブリの全草(当薬) 15g

◆使い方◆
1.ホワイトリカー200mLに当薬15gを入れ、1〜3か月ほど置く。
  ※直射日光や電気などの光が当たらない、涼しい場所に保管してください。
2.シャンプー後、髪の水分をタオルで拭き取る。
3.「1」を直接頭皮に塗る、または手のひらに出してから頭皮に塗る。
  ※「1」ではなく、センブリ茶(「センブリ茶として飲用する」のレシピ②で
   紹介したもの)を使ってもよいです
4.指の腹でやさしくマッサージする。
5.自然乾燥またはドライヤーで髪を乾かす。

【期待される効果】
育毛、発毛(発毛促進、抜け毛防止、ふけ、脱毛症)

⚠️注意
少量でパッチテストをしてから使い始めると安心です。肌に合わない場合は、すぐに使用を中止しましょう。

センブリってどんな薬草?

センブリは日本三大民間薬のひとつです。内用による健胃・整腸、外用による発毛・育毛の働きが重宝されています。
どんな薬草なのか、見ていきましょう。

センブリの名前の由来

とても強い苦みを持つことが、センブリの特徴です。
湯の中で千回振り出しても(煮出しても)まだ苦いことから、「センブリ」と呼ばれています。

センブリの生薬名:「当薬(とうやく)」

センブリの花が咲いている時期(10月頃)に全草を抜き取り、水洗いしてから風通しのよい場所で陰干しにして乾燥させたもの。これを「当薬(とうやく)」と呼びます。
「当薬」という言葉には、「まさに当たる薬・よく効く薬」という意味があります。

漢方薬の処方には使われておらず、日本で独自に発展してきた薬草です。

センブリの特徴

利用部位:全草
花期:8〜11月
分布:北海道、本州、四国、九州
生育場所:山地、野原

日当たりのよい草地や丘、日の差し込む松林などに自生する2年草です。
秋になると小さくて可憐な星型の白い花を咲かせます。
花を含む全草が、とても苦いのが特徴です。

センブリの特徴

1年目は秋に発芽し、小さな草のまま葉を放射状に広げ地面にぴったりとつけた状態で
冬を越す。
2年目の春になると中央から四角形の茎を出し、20〜30cm程度に成長する。

茎:上の方で枝分かれし、色は紫がかった緑色。
葉:細長い葉が対生(2枚が対になって付くつき方)する。
花:大きさは1.5cmくらいで、花びらは5枚。枝の先や葉の脇につく。
  星型の白い花に紫色の筋が入り、花芯は黄緑色をしている。
  開花後に結実。果実は細長く、熟すと2つに裂ける。種子は黒くて小粒。
根:黄色。

薬用目的で、花の咲いている時に全草を刈り取り種子が残らないことから、センブリは数が減りやすい植物です。
生育地の減少や、発毛・育毛などでの利用が広まったことによる使用量の増加により、野生のセンブリの採取だけでは、必要な量の確保ができない状況になってしまいました。
1977年ごろに、難しいとされていたセンブリの栽培が長野県で成功し、現在は栽培されたものを原料として市販品が作られるようになりました。

類似植物に「イヌセンブリ」や「ムラサキセンブリ」がありますが、苦みが少ないため薬としては使用されません。
ムラサキセンブリは、センブリよりも花が大きくて色は鮮やかな青紫色です。「イブニングスター」という名前で観賞用の花として栽培されています。

センブリ同様、イヌセンブリとムラサキセンブリも数がとても少なくなって
います。
自然に生えているものを採取しないようにしましょう。

【イヌセンブリ】

【ムラサキセンブリ】

センブリや他の薬草を使うときの注意点

センブリをはじめとした薬草は、正しく使えば日々のセルフケアに役立つ心強い存在です。
ただし、安心して取り入れるために、いくつか知っておいてほしいポイントがあります。

  • 薬草から得られる作用には個人差があるため、使用量は目安としてください。初めて使う場合は少量から始めると良いです。一度に多量の薬草を使うことは避けましょう。
  • 薬草は、日常的な健康維持やセルフケアに活用しましょう。はっきりとした病気の症状がある場合は、医師の診察を受けてください。
  • 薬との飲み合わせや体質・持病などにより、思いがけない症状が現れることがあります。体調の変化を感じたら、薬草の摂取をやめて医療機関を受診しましょう。

薬草についての基本的な考え方は、こちらの記事でまとめています。
https://wtblog1.com/yakusouttenani/

センブリについてまとめ

日本三大民間薬のひとつとして知られるセンブリには、その特徴である苦味成分の働きにより
以下のような効能があります。

【お茶や粉末を内服】健胃・整腸作用
【エキスを頭皮に塗布】育毛・発毛作用

紹介した使い方の中に興味があるもの、「これならできそう」と思うものがあれば、生活に取り入れてみてくださいね。

昔からよく効く民間薬として使われ、親しまれてきたてきたセンブリですが、自然に生えるものはとても少なくなってしまいました。
使う際は、市販のセンブリやセンブリを含む製品を利用するのがおすすめです。

センブリを上手に活用して、薬草のある暮らしを楽しんでみませんか?

参考にした資料・文献

書籍

  • 『散歩で見つける薬草図鑑』(監修 指田 豊/家の光協会)
  • 『身近な薬草活用手帖 100種類の見分け方・採取法・利用法』
    (監修 寺林 進/誠文堂新光社)
  • 『自然治癒力をひきだす「野草と野菜」のクスリ箱』(東城 百合子 著/三笠書房)

■大学・学会・公的機関

医療機関・専門サイト(育毛・外用に関する情報)

植物観察・民間情報サイト

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